君に奇跡が起きますように



「じゃ、あたし帰るわ」
「あ、ばいばーい!」

芽留に見送られて教室を出る。

「ん?どうした大我。なんか用事あった?」

すると大我も着いて来たので、あたしは大我に聞く。

大我はやはり怖い顔をしていた。

あたしは嫌な予感がしたので、そのまま下駄箱目指して歩き始める。


「お前らさ」
「なんだよ」

あたしの少し後ろを歩く大我。

自然と早足になる。


「この前、手ェ繋いで歩いてたろ」


ピタッ。あたしの足が止まる。

ぶわわわわっと顔が熱くなって行く。

やばい、顔見られたら、バレる。


「ひ、と違いじゃね?なんであたしと小鳥遊が……」
「……俺、一言も小鳥遊って言ってないぞ」