君に奇跡が起きますように


「香奈ー!今日、この後ボウリング行くんだけど。香奈、どう?」


あの一件以来、皆に怪しまれない程度に遊ぶことにしている。

だけど、今日はどうしても行く気になれなかった。


「今日はパス。いつもごめんな、芽留」

お礼を言いながら芽留の頭に手を置く。

「んー許してあげる」



頬を膨らませながらも微笑む芽留。
小動物。


「まじかよー。香奈いないと芽留不機嫌なんだよなぁ」
「一樹、うるさいよ」
「神田、欲求不満なんじゃねーの」
「殴るよ?大我クン」


大我はあれからあまり突っかかってこない。

多分色々と気づいているんだろうけど……。
気を使っているんだろう。


ちなみに幸せバカップルは何も気づいていない。