君に奇跡が起きますように


『ごめん、水澤さん。今日もちょっと用事が……』


授業中。ブーッとバイブ音がしてスマホを操作すると、小鳥遊からのメッセージだった。


『わかった』


短いメッセージを返す。

そんな中、最近多いなと思い始めていた。用事って何なんだろう。

『ごめんね。今日、雨降るみたいだから気をつけて』


ちゃっかりあたしの心配までしてくる。こりゃモテるわけだ。


ついこの前のことだが、1年生の女の子が小鳥遊に告白している現場に出くわした。
ずいぶんと可愛い子だった。

あたしとは正反対の、小さくてふわふわした雰囲気の子。

『ありがとう。でもごめん。俺、好きな人がいるんだ』


やんわりと、でもキッパリと小鳥遊は言った。