なんだ、なんだよこいつ。
自慢じゃないが、初めてだぞ!!
乙女の夢のファーストキスだ!!
混乱のあまり、変な思考に陥ってしまっているあたし。
「だって俺、名前どころか名字でも呼ばれたこと無い」
「拗ねんなよ!」
バカじゃ無いのか⁉︎こんな小さなことで……。
まぁ確かに、照れくさくて1度も小鳥遊、と呼んだことないけど……。
「ねぇ、呼んで?」
「や、やだっ……‼︎」
「じゃあもう一回するよ?」
と言いながら、どんどん顔を近づけてくる。
それでもあたしが何も言わないでいると、チュッと音を立てて軽く唇を重ねてきた。
それさえあたしの鼓動を早くさせる。
そして直ぐに離れ、もう一度……。

