君に奇跡が起きますように



子犬のような目で見つめられて、少しうろたえる。

身動きも取れず逃げようがない。

だから余計に恥ずかしい。


「呼んでくれなかったら……」
「な、んだよ」

じいいいい。

見つめられて狼狽える。

「キス、するよ?」
「なっ……⁉︎」


小鳥遊は、もったいつけて言った。


は?今、何て言った‼︎⁇

キキキキ、キスって⁉︎


キスだよな⁉︎

接吻⁉︎ 口づけ⁉︎ キッス⁉︎

いや待て、落ち着け。あたし。

「ちょ、待てっ……!‼︎どうしたんだよ、急に……」


それだけは絶対に回避したくて、あたしは必死に言う。

すると小鳥遊は意地悪にほおをゆるめた。