「なんなんだよ、もう!いい加減離せって」
「これ、元居にやられたの?」
かと思えば、あたしの右腕を突き出し大我に掴まれ赤くなった痕を見る。
「……まぁ、大我はバカ力だし」
その証拠に小鳥遊に掴まれる腕はさっきのように痛くない。
「……水澤さんさ、元居のこと大我って呼んでるんだね」
突然声のトーンが下がった小鳥遊。なんでそんなこと。
「だからなんだよ」
「……水澤さん」
小鳥遊が珍しく優しくない声であたしを呼ぶ。
とりあえず、離してほしい。
「俺の名前、呼んで」
小鳥遊の言葉の意味が理解できず、固まった。
「い、いきなり何言って……」
「京弥、って呼んで?」

