君に奇跡が起きますように



「……」
「あぁ、ごめん。……そんな睨まないでよ!」

あたしが無言で睨むと、小鳥遊はやっとあたしの口から手を離した。

ただ、腕は掴まれたままだ。

大我といい、こいつといい、今日は一体、なんなんだ。


「どーゆーつもりだてめぇ!ふざけた真似しやがって」
「こらこら。女の子がそんな言葉遣いしないの」


ちょん、と額をつつかれる。


「あ、そうか……。気をつける。ってそうじゃないわ‼︎」


小鳥遊の口調があまりにも優しかったから、つい素直に流されそうになる。

その手には乗らない!


「ふはっ!」

笑ってごまかそうとする小鳥遊を叩……きたいのに叩けない。


あたしは暴れたせいで軽く息が上がっている。