君に奇跡が起きますように



大我はきっと、あたしのことを思って言ってくれているんだ。


心配、って言うのも本心だろう。


でも、こんなの大我らしくない。


「大我。何も知らないのに、あいつのこと悪く言うな。らしくない。
大我はそんなやつじゃないはずだろ」


大我を真っ直ぐに見つめてあたしは言った。

大我も少し驚いたような顔をしている。


良かった、顔つきが変わった。


「……あーもう、わかったよ。悪かった、無理やり掴んだりして」


ぐしゃり、大我はあたしの金色の頭を乱暴に撫でた。

……小鳥遊とは正反対な手つきに、あたしは胸の奥で、もやりとしたものが生まれたのを感じた。


「でも俺は小鳥遊が気に食わねえ」


ふん、と拗ねたように大我は言い、教室行くぞ、とあたしを促した。