君に奇跡が起きますように



そう2人をなだめようとあたしが言うと、小鳥遊があたしを見つめてきた。

心なしか、驚いたような、傷ついたような表情で。


「何……っておい!大我!痛っ。手ェ離せよ!」

その表情に眉を潜め、小鳥遊に声をかけようとするが、大我に腕を引っ張られて、為す術もない。

引きずられるようにして、小鳥遊から遠ざかって行く。


小鳥遊は諦めたのか、それともあいつのことだからあたしに迷惑がかかると思ったのか、何も言わなかった。


「大我っ!大我、痛い」

容赦無く強く引かれてあたしの右腕はズキズキといたんでいた。

流石にこんな力で掴まれれば耐えられない。


必死で訴える。


お、折れるわ!!



大我は廊下の奥まであたしを連れて行き、やっと解放してくれた。