あああ!やめて!2人で話さないで!
あたしはあわあわと慌てた。
ただでさえこの前は、険悪なムードだったのに。
加えて今は大我の機嫌が最悪だ。
まずいことになりそうな予感しかしない。
「だから、香奈の周りうろちょろしてんじゃねーってんだよ」
大我が自分より小さい小鳥遊を見下ろして凄む。
でも、やっぱり小鳥遊怯まなかった。
「大我、やめろって」
大我を落ち着かせようとするが、大我は聞く耳を持たない。
「なにそれ。それって元居が言うことじゃなくね?てゆーか元居は水澤さんの何?」
それどころか、小鳥遊らしくない乱れた口調で大我に言い返す。
しかも、いつもの笑顔を崩さずに。
なぜだろう。
彼らの後ろにドーベルマンと柴犬が見える。
「おい、お前やめろって。大我も」

