「水澤さん」

何で。

「血が出てるね。大丈夫?」

何でこいつがここにいるんだよ……。


彼はしゃがみ込んで、あたしと同じ目線になり、あたしの頬に手を伸ばしてくる。
その人物は、今日初めて話したあいつだった。

小鳥遊、京弥。


「触るな」


あたしは彼の手を振り払う。

そしてそいつを睨んだ。


その手は、傷だらけのあたしの手とは違って、綺麗だった。
それだけであたしと彼の違いを感じさせる。汚れを知らない、そんな感じだ。


「マジなんなの、お前」
「俺?小鳥遊京弥だけど?今日水澤さんに告白した、小鳥遊京弥」


きょとん、とした顔であっけらかんとそう言うのであたしはもう呆れてしまった。