周りの視線が、集まってくる。
ざわざわと、騒がしくもなってきてしまった。
何事かと言わんばかりに。
そんなギャラリーを、大我が鬱陶しいと言わんばかりに一睨みで追っ払った。
「お前、最近小鳥遊と……」
「水澤さん、おはよう」
と、あたしと大我の間を縫うように聞こえてきたのは、もう聞き慣れた澄んだ声で。
ややこしいことになった。と、あたしは頭を抱えたい気分だった。
「本当にお前はタイミングが悪い……」
「えー、なにそれ?」
「うるさい、もう黙れ……」
はぁー、と大きなため息をつく。
「お前、うっとおしいんだよ。小鳥遊」
「ん?何が?」
小鳥遊はどこまでもにこやかだ。

