肩はほとんど完治し、大分自由に使えるようになってきた頃。
「おい、香奈」
「え、何?」
学校に登校し、下駄箱で靴を履き替えていると、不機嫌MAXな大我に呼ばれた。
あーもう、顔にでてる。
書いてある。
不機嫌って。
「お前さ、最近付き合い悪すぎね?」
大我の言葉に少しギクリとする。大我は、何か勘付いているのかもしれない。
もちろん、付き合いが悪くなった原因は小鳥遊だ。
買い物に付き合ったり、なんだかんだとしているので、何かしら理由をつけていつも断っていたのが裏目にでた。
「んなこと言われたって……。しょうがないだろ、あたしだって忙しいんだから」
誤魔化そうと、意味ない言葉を並べる。
大我の横をすり抜けて、歩き出す。
「香奈っ!」
ガシッ。腕を掴まれる。
大我の力は強かった。ゴリラか、こいつは。
「……大我、痛い」

