どんな心境の変化だ。

このあたしが、女子力のカケラも無いあたしが、料理をするなんて。


「そうそう、そんな感じ」
「お、おいっコレはどうすんだよ!」

片手しか使えないので、簡単なことしかできない。

そしてその簡単なことさえあたしには難しい。


「そのままで平気だよ」
「そ、そうなのか……」


あたしはオロオロしながらも、小鳥遊に助けられてなんとか作ることができた。

どうして今まで、覚えようとしなかったんだろうな、あたし。

教えてくれる人すら、いなかったから、か?


「どう?自分で作ったご飯」


「……うまい。つーか、ほとんどお前がやったけどな?あたし、左使えないし」


「そんなことないよ。水澤さんも頑張ってたよ」