君に奇跡が起きますように



「ただいま〜」
「お、お邪魔します」

どうぞどうぞ。

朗らかに言う小鳥遊の後ろで靴を脱ぐ。というか、本当に広い部屋だな。

一人暮らしには勿体無いくらいだ。家具も無いし……。

リビングに向かう間に廊下から行ける部屋が3つもある。

そのうちの1部屋のドアが半開きだったので、あたしはちょっと覗いてみる。

そこは、書斎のようなもので、大量の本が本棚に収まっていた。

結構予想通りだけど、読書家みたいだ。


この前、あたしが寝ていた部屋は、リビングから直接通じている部屋だ。

小鳥遊の部屋には入ったことが無い。


「水澤さん、一緒に作る?」
「……作る」