小鳥遊と、買い物に行くなんて絶対言えない……。
しかも、夕飯。
しかも、一緒に食べる。
しかも、小鳥遊の家で。
「ええーっ。せっかく香奈と遊べるって思ったのにー」
残念そうに、そして不服そうに頬を膨らませる芽留。
あたしはごめんごめん、と謝った。
一樹はそんな芽留に、俺がいるじゃん！と声をかけ、睨まれた。
そんな光景を、人ごとみたいに思っていた。
うーん、とあたしは思う。
なんだかなぁ、と苦笑いを浮かべた。
いつの間に、小鳥遊とこんな変な関係なったんだろう？
昨日もちゃっかり家まで送ってもらったし……。
少し前までのあたしなら考えられなかったことだ。
何にせよ、前より生きやすくなったのは、確かなんだけれど。
