君に奇跡が起きますように



「てか香奈、知ってた?」

ふと、話題を転換して芽留は言う。

「何?」

芽留があたしの後ろに立つ大我を見てにやける。


「香奈は気づいてないかもだけど、大我もう結構長くフリーなんだよ」
「えっ、そうなの?全然知らなかった。また何で?」

あたしは目を見開いた。

大我はフラフラしてて、女大好きって感じで。それしかイメージが無かった。常に可愛い女の子が隣にいる、みたいな。


「決まってんじゃーんっ。大我、本当はずっと前から……」
「おい、神田。それ以上言ったら……」
「あははっ!ごめんってー!」
「大我〜。人の彼女睨むなって」

大我が、何?そう聞こうにも聞けなくて、あたしは押し黙った。


「あ、そうだ香奈。今日放課後暇?皆で遊ぼーって話してたんだ!カラオケカラオケ〜!」


「あー、ごめん。今日はちょっと……」