君に奇跡が起きますように



小鳥遊はゴンッとテーブルに頭をぶつけた。

声と音に驚いて、肩が揺れた。

突然の行動に言葉が出ない。


「……なんでそんなに可愛いの?反則だよ!」
「ごほっ!!!」


あたしは飲みかけていた麦茶を吹き出しそうになり、激しく咳き込む。

小鳥遊は顔を手のひらで覆って、あー、とかうー、とか言っている。

「おまっ……バカじゃないのか‼︎バカなんだろ‼︎本当に‼︎」


すると今度はあははっ、と声をあげて笑い出す。

こんなに楽しそうな小鳥遊は初めてで。

あたしは肩をすくめて、その笑顔を直視できずに目線をそらした。

「おい」
「なーに?水澤さん」
「……料理、教えろ」
「うん!」