君に奇跡が起きますように



「つか、まともなの食べたの久しぶりだな」

うちの親は、毎朝テーブルに千円を置いておけば子供は勝手に育つとでも思っているのだろうか。


「……水澤さん、普段食べるもの順番に言ってみて?」


小鳥遊に言われて、あたしは宙を睨んで指を折る。


「いつも朝は牛乳飲んで……。昼は購買のパンだろ?んで夜は……食べないことの方が多いかな……。腹減らないし。食べたとしてもコンビニ弁当とか……」
「みーずーさーわーさーん」

小鳥遊が人差し指をビシッと突きつけてきて、あたしはうろたえる。


「朝はしっかり食べる!昼も夜も栄養取らなきゃ!全体的にダメダメ過ぎ!だからそんなに細いんだね!」
「……す、すいません」