小鳥遊の家は、大きくて高そうなマンションだ。
少なくとも、高校生が一人暮らしするようなマンションじゃない。
しかも結構階は上の方だ。
小鳥遊って、坊ちゃんなのかな。
着ているものといい、そろえてある家具といい、全部が高そうに見える。
そうだとしたら、色々納得がいく。
「……」
立ち止まってただインターホンを見つめている。
オロオロと周りを見回すが、こんなところに、助けを求められる相手なんかいない。
ここまで来て、帰るのもなんだかアレだし……。
アレってなんだよ……。
ええい!押してしまえ!
ピーンポーン。
その機械音に、背を向けて走り出しそうになったが、必死で堪えた。
パタパタ、ガチャンッ。
足音が迫って来て、今度こそ足が一歩、後ろに下がってしまった。
「いらっしゃい、水澤さん」
「……おう」

