「ガハッ!」


腹に鋭い痛みが走り、あたしはついに冷たいアスファルトに倒れ込んだ。


それはひんやりと心地よく、もうずっとこうしていたいと思った。


ただ今は、目を開けることすらできない。

瞼の裏では、チカチカと星が飛んでいた。

バットで殴られたのは初めてかな。


一体どのくらいやられていたのだろう。


「キャハハハっ!こいつ、ついに気失ったぁ!!」
「抵抗しねーし、つまんなかったな」


ぐ、とバットで腹を押されて呻き、薄目をあけると、赤髪の女は満足げに微笑んでいた。

「これで分かったか。次はただじゃおかねぇぞ」


いや、すでにただで済んでないんですけど。


……なんて。

軽口を叩いている場合ではない。

それが分かっているのになんだかバカバカしくて笑えて来る。