ぽつり。小さくこぼす。
今からものすごく恥ずかしい話をする。
あの日のあの時、ドラマでよく見る光景を目にして、あたしはてっきり小鳥遊が……その、死んだんだと思った。
だけど違った。
小鳥遊の両親が無理にでも手術を受けさせるために、麻酔を打っていて、それが効いたから寝ただけだったんだ。
なんともアホらしいが、小鳥遊が自分で自分の生きたいという意思を示したんだから、結果オーライだろう。
そしてすぐに海外に飛んだ。
約束した。
ずっと待っててやるって。
返事だって、小鳥遊が帰ってきたらしてやる。
あたしは臆病だから、自分の気持ちを素直に言葉にすることができなかったけれど、次会った時には胸を張って伝えよう。
今ならきっと。

