ダンボールを持ち上げると、ずっしりとした重みが腕にかかる。 「水澤!こっちも頼む!」 「はい!」 あれから数年がたった。 高校を無事に卒業したあたしは、進学はせず運送会社で働いていた。 今ではすっかり筋肉もつき、大分楽になって来た。 「それ運び終わったら、今日はいいぞ。午後有給とってたろ」 「うっす」 あたしは、変わった。 多分前よりずっと明るくなったし、頭だってよくなった。 自然に笑えるようにもなった。