君に奇跡が起きますように



ああ、と思った。


なんであたしはこんなに臆病なんだろう。


なんで思っていることの、半分も伝えられないんだろう。


もっと、もっと、うまい言葉で。


あたしも死んでしまうほど、哀しくて、辛かった。

小さくなって行く足音が聞こえるようだった。


一歩、また一歩、足音が遠ざかって行くたびに心臓が引きつるように痛む。


忘れるわけがないじゃないか。


あたしが、お前を。


「だから!アフリカでもイギリスでも行ってこいよ!
……お願いだから、死ぬなよ!」


バカみたいに泣いて、叫んで。


そう告げた。


今のあたしにはそれが精一杯だ。


「あ、りがと、う。でも、もう……」


繋がる手から、力が抜けて。


小鳥遊は目を閉じていた。



「小鳥遊──!」