君に奇跡が起きますように



「手術を受けたがらなかったって……」
「どうせ生きてても意味ないからって、言っていたの」


落ち着いたらしい小鳥遊の母親は、涙をぬぐいながらあたしに言った。


そんなことを、こいつが言うなんて。


「……ふざけんな」


小鳥遊の枕元に立って、誰にも聞こえない位小さく、つぶやいた。


人のこと散々振り回しておいて。


ふと、小鳥遊は目を開けた。

そして、私の顔を見て、

「あぁ……。

やっぱり、天使みたいだ……」


か細い声でそう呟いた。

頬が緩んでいたので、笑っているように見えた。


「何、言ってんだよ……」