「君は……」 目線は、髪の毛に行っていた。 小鳥遊みたいなやつが、こんな髪色と女に付き添われていることに驚いているんだろう。 「彼のともだちの水澤香奈です。 今日は小鳥遊……京弥くんと出かけていて」 ともだち。 あたしと小鳥遊の関係をそう呼んでいいものかと迷いながら口にしたので、少しぎこちなくなってしまった。 この人たちは、小鳥遊の両親だ。 男の方は雰囲気がそっくりだし、髪質はきっと母親譲りだ。 「そうか。驚かせてすまなかったね」 申し訳なさそうに眉を下げる小鳥遊父。