数分後、私は病院にいた。
小鳥遊はベッドの上で苦しそうに顔を歪めている。
バタバタと忙しそうに、看護師が動き回って、小鳥遊の体に何かをつけているのを、他人事のように眺めていた。
ドラマで見るような機械、
普段感じることのない気迫や雰囲気。
どういうことだよ、これ。
誰もなにも説明してくれないので、状況がつかめない。
ただその場に立ち尽くしていた。
「京弥!」
叫びにも似た声とともに、病室に入ってきたのはまだ若い男女。
「京弥、京弥!」
女の人は小鳥遊の体にすがりつく。
小鳥遊の方は、意識が朦朧としているらしく、反応が鈍い。
女の人より後に入って来た男の人が、あたしに気づいた。