君に奇跡が起きますように



気づいていた。


いつの日か、唇を重ねようとしてこなくなった。



帰り道に手をつないでくることもなくなった。



強引に抱き寄せてくることもなかった。



この一ヶ月間、小鳥遊は必要最低限にしかあたしに触れて来ていなかったし、



前よりも一歩引いていたように見えた。


少しずつ、少しずつ、あたしを遠ざけるように。



でも、小鳥遊はあたしを、クリスマスなんていう日に、デートに誘った。


今日に限って触れて来た。



なにか、ずっと、言いたそうにしていた。