君に奇跡が起きますように



「……じゃ、風邪引かないでね。
今日はありがとう。楽しかったよ」


小鳥遊はあたしを家まで送ってくれた。

なんだかんだしているうちに、すっかり夜だ。

何だか、すごく照れくさくて、小鳥遊の顔を見ることができなかった。


こういう……恋人っぽいのは、くすぐったい。


「ありがと、な。送ってくれて」


目線をそらしながら、そう言うと小鳥遊は「いえいえ」とにこやかに言った。


「その、なんだ……。
あたしも、楽しかった……、ぞ」


言葉に詰まりながらも、本心を伝える。


そうしたら小鳥遊はまた、嬉しそうに微笑んだ。