君に奇跡が起きますように



……多分、小鳥遊には通じないだろうけど。


「似合ってるよ、すごく」
「……嘘つけ」


「嘘じゃない。だって水澤さんは天使みたいだもん」


一瞬、時が止まった気がした。


「なっ、なっ、て、天使って!!アホか!こっぱずかしいこと言うなよ!」


天使!?


こいつの頭の中は花でも詰まってんのか!?


「だから羽にしたんだよ!天使のイメ……」


「だぁ!うるさいやめろ!ばか!」



その恥ずかしい単語を聞きたくなくて、たまらず耳を塞いだ。


「でもほら、かわいい」


チャームを指で転がして柔らかく小鳥遊は微笑んだ。