君に奇跡が起きますように



「こ、こんなのもらえないっつの!高かっただろ!」


「いいんだよ。俺が水澤さんにあげたかったの」



「いやでも……」


「水澤さんのためだけに買ったんだから、いらないなら捨てることになっちゃうなぁ……」


こいつ!

こういうところ本当にいい性格してるな!

強引と言うかなんと言うか……。


「……嬉しくなかった?」


しゅん。

そんな感じであたしを見つめてくるので、あたしは目をそらした。


「んなこと、ねーけど。似合わないだろ、こういうの」




ぶっきらぼうに言ったのは、本当は嬉しいというのを悟られたくなかったからだ。