君に奇跡が起きますように



「ね、そっち行ってもいい?」


「はっ!?」


水澤さんの隣、とはにかんだ小鳥遊に、あたしはまたペースを乱される。


そのまま黙っていると、小鳥遊は容認ととったのか、あたしの隣に腰を下ろした。


体温が近くに感じ、ギクリと体を固めた。


「水澤さん。ちょっと目、瞑って?」


突然の要求に、思わず小鳥遊と距離をとった。


「な、なんだよ急にっ」
「いいから、ね?」


小鳥遊には、なんだかいつも逆らえない。