それに、世に言うシスコンなら妹に彼氏ができないことを祈るのが普通だろうに、小鳥遊は彼氏ができないことを心配しているという矛盾がまた面白い。 まあ小鳥遊らしいといえばらしいが。 身を縮めて肩を震わせていると、「もー」と拗ねたような声をあげる小鳥遊。 「悪い、ツボにはま……」 その声に笑いを堪えながら顔をあげると、言葉に詰まってしまった。 頬に紅い花を咲かせ、目を優しく細めた、小鳥遊の表情を見て。 自分で言うのもなんだが、その顔は明らかに愛しさを秘めていてた。