君に奇跡が起きますように



一つ一つ、花が開くみたいに小鳥遊の一面を知る。

とりとめのないこと。


だけどなんだかそれが嬉しかった。


「あ、もうすぐ遊園地閉まっちゃうね」


「えっ、もうそんな時間かっ!?」


時間を忘れて遊んでいた。こんなことは久々だった。


こんなに楽しいのも久々だった。

小鳥遊といると、なんだか宙に浮いている気分になる。


ふたりだけ、

あたしたちだけ別の世界にいるような。


「じゃあ最後、あれ乗ろうよ」