君に奇跡が起きますように




キャーッ。


叫び声が聞こえてくる乗り物。

そう、ジェットコースターだ。


「……お前、こういうの乗れるの?」
「わかんない」


肩をすくめた小鳥遊に、あたしはずっこけた。


目を輝かせて言うもんだから、てっきり好きなのかと思った。


「俺、遊園地来たのも初めてだから」


行列に並びながら、小鳥遊は言う。


珍しいやつもいるもんだ。



小鳥遊は初めて、という単語を今日何度も言っている。