「知らなかったの? 俺も初めて来たけど。夕方からのチケットあるから行こう!」 するりと手を引かれたかと思うと、そのまま指が絡んだ。 「っ!」 「あ、手冷たい。寒い?」 「別に……、平気っ」 「そっか」 ──むかつく。 いつも小鳥遊ばかり余裕な顔して。 小さな仕返しのつもりで、ぎゅう、と強く手を握ってやったが、小鳥遊がさらに嬉しそうにするだけだった。 「これ!これ乗ろう」