君に奇跡が起きますように



小鳥遊の笑顔が珍しくひきつっている。

初めてホラー映画を見たらしい小鳥遊は、隣でずっとびびっていた。


なんだかおかしくて、笑える。


「そんな怖かった?」
「だって、こうやってばあぁぁんって!」


身振り手振りで、出て来た幽霊について小鳥遊は語る。


その表情は楽しそうだったので、あたしも少し嬉しかった。


というか、今日やけに人が多い気がする。

気のせいか?


「あっ、水澤さん!プリクラ!プリクラ撮ろうよ」


「あたし、写真とかにが──」



て、と言い終わる前に小鳥遊があたしの腕を引く。