君に奇跡が起きますように



「たかな、し?」
「……今日はもう、帰りなよ」


小鳥遊は、線引きをしたんだ。

ここからは立ち入り禁止。
そう言っている。

いつもそうだ。

肝心なところで、小鳥遊は逃げる。


まるで、あたしに何かを気づかせないように。線引きを。


でももう本当は、ずっと前から気付いてたんじゃないのか。


だってあたし、今期待してた。

触って欲しいなんて、思ってた。


それがなんでか、なんて。


あたしにだってもう、わかってるんだよ。
本当はずっと。