君に奇跡が起きますように



「……水澤さ、」
「──っ」


今、あたし、頷いてた?笑ってた?


なんで、
なんで、
おかしい。


「水澤さん」

こんなの、変だ。あたしじゃない。

心臓があたしを急き立てるように早まっていく。

胸が苦しい、顔が熱い。

「ち、違う、今のは」
「水澤さん、落ち着いて」

シャーペンを落とし、ぶんぶんと首を振った。


小鳥遊とまた目が合うと、小鳥遊は嬉しいような、戸惑うような、そんな表情を浮かべていた。