君に奇跡が起きますように



なんだよそれ。

別に、そんなことなくないか。


いや、待て。

仕方なく、だよ。


あたしは別に行きたくなんかないんだから。


一人問答をし、頭がぐるぐるしているあたしのことなどつゆしらず、小鳥遊は溢れんばかりの笑みを見せる。


「楽しみだね!」
「うん」


「……っ!」
「……え」


頬杖をついていた小鳥遊が顔を上げ、あたしもノートから顔を上げる。


視線が重なって数秒、見つめあった。


そして、自分の頬が緩んでいることに気づいた。