君に奇跡が起きますように


それで、わざわざあんなとこであんなことを言ったと。


……物好きな人。
なんで、あたしなんだ。何回こう思っただろうか。


「で、土曜日デートしよう?」
「デートって」
「デート。あ、そこ間違ってるよ」
「えっ嘘」


消しゴムで指摘された箇所を消し、再び解き始める。


「うん、正解。で、しよ、デート」

さっきからしつこいくらいにデートを連呼する小鳥遊は、子供みたいであたしは内心で笑みをこぼす。


「わかったよ」

あたしは仕方なく了承する。


「ほんとに!?やった!!」



──仕方なく?