君に奇跡が起きますように




「……お前やっぱ、さっき怒ってただろ」

夜。

夕飯を終え、小鳥遊に数学を教わっている時、あたしは堪えきれずに聞いた。

さっきの小鳥遊の笑顔は、なんだか怒っているように見えた。


いや、絶対怒っていた。

「どうしてそう思うの?」
「た、多分だけど」


心当たりなら、ある。

「あ、あたしが、大我と話してたからじゃないのか?」


弾かれたように、驚いた表情になる小鳥遊。あたしは頭をガシガシとかいた。


「ち、違うならいい!忘れろ!」