君に奇跡が起きますように



ヤバ、大我の目が変わった。

『お前みたいな優等生が何の用』って言いたいのだろう。


大我はプライドが高く、バカにされることをひどく嫌う。

本人にその気がなくても、自分がそう感じたら誰彼構わず殴ってしまう。


小鳥遊は校内有名人。
容姿端麗で頭脳明晰。

そんな、恵まれている人。

大我からしてみれば、そんな人があたしに話しかけているだけでも、いい気分はしないのだろう。

マズイ、ここで小鳥遊がなんか言ったら……。


「香奈、小鳥遊と知り合いなの?」


芽留が大我の気を引こうとしたのか、あたしに話しかけてくる。

本当は力いっぱい、違う!と否定したい所だけど……。

「まぁ、そんなとこ。ごめん。ちょっとこいつと話あるから」


これ以上面倒なことになるのはごめんだ。

ありがとう、芽留!