そして、小鳥遊の提案で毎晩母親の分の夕飯を、作り置きしてテーブルに置いておくことにした。
意外なことに、皿はいつも綺麗になっている。
食べてくれているようだ。
言い訳するようだが、勉強も料理もあたしは教えられればできるのだ。
小鳥遊は、あたしをこんなにまで変えた。
「今日の授業はここまで。日直」
「きをつけー、れーい」
キーンコーンカーンコーン。
と、チャイムがなり、クラスメイトは音を立てて立ち上がる。
「香奈ーっ」
「んごっ!」
後ろから飛びつかれて奇声をあげてしまった。芽留の腕が首に巻きつき、あたしは苦笑する。

