君に奇跡が起きますように



あ、この反応は、結構好きなんだ。

わかりやすい。

俺はくすりと笑う。


お許し(?)が出たので好きに頭を撫でたり、髪を触る俺。


「心臓はやい」


ぽつり、子どものように呟いた水澤さん。

言いながら、俺の心臓のあたりに手を当てる。

その様子は、すり寄ってくる猫に似ていた。

抵抗とはかけ離れた行動に、さらに俺の心臓は跳ねた。


そりゃ早くなる。

暴れているもう一人の自分を、必死で抑えているんだから。



水澤さんは、照れているか、怒っているか以外は割と無表情だけど、

今は……。


やっぱり疲れた顔をしている。ここ数日いろいろあったからかな。



「水澤さんこそ、さっきからうるさいよ?」
「えっ、嘘!」