君に奇跡が起きますように



次の日あたしは、小鳥遊の言う通りに学校に来た。

ついさっき、校門の前で帰ろうかと思ったけど、それでは負けな気がして嫌だので、嫌々足を運んだ。


「お、香奈じゃん」


教室に入ると、芽留が自分の机でヒラヒラと手を振ってきた。

芽留は、見た目は派手だがあたしのように喧嘩はしないし、学校にも毎日来ている。

長くて綺麗な髪は、明るい茶色に染まり、サイドにまとめられていて芽留によく似合う。


あたしが芽留の所に寄って行くと、芽留はどぞー、と椅子を引っ張り出した。


「おー、香奈。はよ」


そう言ってきたのは、芽留の彼氏の楠田一樹。

見た目は派手だけど、実優しくてはいいやつだ。
芽留を溺愛している。


つまりバカップル。