「風邪……?」
「ん、じゃあよろしく」
「はっ!?お、おい!」


ひらひらと手を振りながら、行ってしまった。

流行りのリュックは、確かに小鳥遊の物で。

あたしは受け取ってしまったからには行かないと、足を動かした。


腑におちん。

というか、風邪って。雨に当たったせいだろ、絶対。


「しつれーしまーす」


あまり行ったことのない保健室は消毒の匂いがした。

中に入って辺りを見回すと、養護の先生はいなかった。
二つあるベッドのうち、片方のカーテンがしまっていたので、覗いてみる。


「おーい……」