君に奇跡が起きますように


胸が痛い。


卑屈になって、髪を染めて、自分を守ろうとしたけれど、余計自分を追い詰めた。

髪を染めたら何か変われると思った。

でも、変わったのは見かけだけで。

強くなったのは喧嘩と口調だけで。

心はずっと傷ついていた。


過去のことも、今までのことも、泣きながら全てを吐き出してしまった。

小鳥遊はそんなあたしの頭を絶えず撫でながら、静かに話を聞いてくれた。


人の体温って、こんなにも暖かかったのか。


「水澤さんの居場所ならここにあるよ。俺が、水澤さんの居場所を作ってあげるよ」

小鳥遊はゆっくりと話し出した。

「……っ、」
「水澤さん、好きだよ」


好きだよ。

小鳥遊の言葉が頭の中で響く。


「辛いなら、俺に分ければいい。苦しいなら俺に吐き出せばいい」