君に奇跡が起きますように



「サイズ、大丈夫だった?」
「……ん」


小鳥遊の声に小さく返事を返す。


とりあえず風呂に入れと押し込まれ、仕方なく湯に浸かって上がってみれば、恐らく小鳥遊のものであろうジャージが置いてあった。


さすがに多少はぶかぶかだが、それは仕方ない。

制服はハンガーにかけてくれていたみたいだ。

体はポカポカと温まり、血色はすぐに良くなった。

「お前は風呂、いいのかよ」
「俺はもう乾いたし、平気だよ」
「……」
「……」


お互いに何を言ったらいいのかわからず、無言が続いた。


小鳥遊はソファーに腰掛け、あたしは乾かしたばかりの髪を触りながらリビングの入り口に立ち尽くす。