君に奇跡が起きますように



いかにも育ちが良さそうな小鳥遊と、ボロアパートで育ったあたし。

小鳥遊とあたしは、決定的に違う。


着ているものも、育った環境も、見ている景色や風景、全部。


きっともう、違う次元に生きてる。

歩いているところが違う。


だからあたしに関わるな、とそう言ってやりたいのに。

なんだか上手く言葉が出て来ない。


小鳥遊のペースに乗せられてしまう。


だけど、どうせこいつはからかってるだけなんだろうな。


「出席日数ヤバイんじゃない?」


小鳥遊の言う通りだった。


授業もまともにでていないし、勿論テストだってひどいことになっている。

このままだと、留年するかもしれない。


まあ、そうしたら高校やめて働くつもりでいるけど。

むしろその方が楽な気がして来た。